火葬

夕べは一晩中お線香を絶やしてはいけないとかで、夫と私は亡くなった父のそばに寝て、お線香に気を配っていた。私が寝た敷き布団は、父が病院から帰ってきてから横になった布団。夫が寝た敷き布団は、父が生前家で使っていたものだ。自分の親の布団だったからだろうか。差して、気持ちが悪いなどという感情はわかなかった。

今日は火葬の日で、親戚の人たちが11時頃から続々とやってきた。お手伝いの人たちは、その接待に追われた。12時半に若住職が見えて、1時前に棺とともに私たちは火葬場に向かった。火葬場には、父の友人も来てくれていた。火入れは1時半と聞いていたけれど、予定より早く、1時15分だった。炉の中に送られる父の棺を見て、悲しくなった。焼き上がるまで、1時間15分くらいと言われた。その間、私たちは、茶菓を食べて過ごした。

1時35分頃、近親者がまず呼ばれた。炉から出された、先ほど父が載っていた台車が出されていた。骨太で、しっかりとした骨格。頭部もしっかりと残っていた。最後はいろいろと薬を使ったけれど、お骨がしっかりとしていてよかったと私は思った。

納骨室のほうに部分別に集められた遺骨が運ばれ、親戚や近所の方達と順にお骨を拾った。帰りは、位牌は夫。遺骨は父の兄の長男。遺影は、父の弟の長男が持った。親戚の中には、私に何も持たせなかったことに、「男尊女卑だ」と言っていた人もいた。

家に戻ると地区の方々が立派な祭壇を作ってくださってあった。その後お題目。うちの地域では、古くからのしきたりで、「骨上げのお題目」と言うのがある。これもまた、地域の方々が中心となってやってくださった。

夜は、また夫と共に、父の祭壇の前で眠った。