8ヶ月半

今日の午後,育休をとっている例の同僚があいさつにやってきた。彼女は時々,こうしてお菓子を手に職場を訪問する。前回は,仕事の都合で会うことができなかったが,今日は会うことができた。誕生してから写真でしか見たことのない彼女の愛息子が車の中で眠っているというので,見に行った。彼女の実母と一緒に車の後部座席のチャイルドシートですやすやと眠っている赤ちゃん。もう,お誕生から8ヶ月半も経ったのだ。


冷房の効いた車内で,彼女のお母さんと赤ちゃんを見ながら話をした。

(彼女のお母さんは,彼女の通院の時には,必ず同行していた)
「クリニックに行くたび,何度この道を通っただろうと思った。ずっと子どもができなくて,あの娘はとても辛い思いをしたと思う。数え切れないほどの体外受精をした。クリニックの帰りには,デパートで買い物をすることも多く,ある時はある有名デザイナーのスーツ(8万円)を,衝動買いしたこともあった。それも仕方がないかなぁと思った。」

「この孫が産まれて間もない時,主人(彼女の父)が見て,頭は大丈夫かなと心配していた」

「先日やった初節句の席で,主人(彼女の父)が,この孫が結婚するときにはもう,私は死んでしまっていて歌うことができないと思うので,今日歌うと言って,お祝いの席でよく歌われる有名な曲を歌った。胸がつまる思いだった」

「でぶりんさんも早く赤ちゃんを授かれるといいね。といつも話している。医学は進んでいるから,治療を続けていれば必ずできると思って,がんばってください」


治療が成功して,念願の赤ちゃんを授かることのできた家族の話で,ややもすると嫉妬のあまり聞きたくない話の類だ。でも,自分でも不思議と素直な気持ちで聞くことができた。彼女のお母さんは,涙ながらに話をしてくれ,私も涙が出てしまった。それもこれも,単なる他人の空言ではなく,実際に不妊治療に苦しんできた人たちの話だからこそ,「す〜」っと私の心の中に入ってきたのだと思う。彼女は結婚10年以上になるけれど,1回しか妊娠した経験がなく,その1回を「もの」にすることができた。私にとって大きな励みになった。私も「授かれる」と思えてきた。くよくよとしている暇はない。早くこの現状から抜け出さなければならない。


今日の体調。ET7日目。今朝も腹痛のため目が覚める。おそらく,夜通し痛かったのではないかと思う。日中も下腹部が痛かった。夜になって,両方の卵巣が痛くなってきた。おりものは,2回ほどあった。胸には何の変化もない。