前夜

いよいよ明日が採卵だ。何度やっていも,施術をしている時の器具のガチャガチャとした音が嫌だ。今度で8回目の採卵。いずれも無麻酔。


クリニックの土曜日の診察は,8時半から始まる。その前に,採卵する患者の施術は終了する。ひとり当たりの所要時間は15分。私は明朝7時15分からと言われている。私は3番目だそうだ。7時頃クリニックに着くようにするには,家を5時過ぎには出ないといけない。朝早く起きなければならないことには変わりはないが,夏場は夜が明けるのが早いので,冬場よりもまだ気持ちが救われる。


クリニックに行ってからの手順は,もう空で言える。まずはエコー。排卵されていないことを確認して,座薬をもらう。座薬が効き始めるまでに,15分くらいかかると言うことだが,実際には15分を待たずに,身支度ができれば採卵は始まる。(何度か目の採卵の時に,この身支度の時に,時間をかせげば,より座薬が効いてから採卵に臨めるのではないかということに気づいた)心電図計のピッピッピッピ・・と言う音。それから,器具のガチャガチャと言う音。私が痛みを感じて身体を動かしてしまうと,心電図計の音が乱れる。せいぜい3回くらいしか針を刺さない私の採卵。始まってしまえば,10分とかからない。採卵が終わってしまえば,安静室で抗生物質の点滴。そして休息。そして再び先生の内診と採卵できた卵の数を聞き,全て終了。遅くとも,9時半頃にはクリニックを出ることができるのではないかと思う。


ICSIを始めた頃は,採卵が終わると,もうワクワクだった。でも,最近ではETが終ってもワクワクしない。「やっと1周期終わった」といった安堵の気持ちが強い。何度かETできない周期を経験したからだと思う。期待をことごとく裏切られているので,たんたんとした自分を,自分自身の中で演じ始めているのだと思う。自己防衛だ。